山一園製茶株式会社
棒茶の微細粉末を練り込んだダックワーズの開発による新市場開拓
経営革新計画の概要
当社は、60年余りの歴史を有する製茶店である。茶斡旋業として創業した先代が、当時、製茶時の「出物(茶葉以外の廃棄物)」に含まれていた「茎」に着目し取り扱いを開始。以降、全国的にも珍しい「棒茶取扱店」として発展し、永年「棒茶」の取扱いノウハウを蓄積してきた経緯がある。「棒茶」は「煎茶(茶葉を針状に整えたもので、もっとも一般的な緑茶)」の製造過程で出来る副産物のうち、茎を使用したもので「茎茶」とも呼ばれる。緑茶の一大産地である静岡県などではランクが低く見られがちであるが、茶葉で日光を遮られた茎は、旨味成分テアニンが、苦み成分カテキンに変質しないまま多く含有されており、芳醇な香りと甘みを高温で楽しめる魅力を持っている。今回の経営革新計画では当社の強みである「棒茶」の微粉末を使用し、その芳醇な香り・甘み・食感を両立する洋菓子ダックワーズの開発に取り組む。考案にあたっては「棒茶」と「棒ほうじ茶」の2種類のフレーバーをラインナップし、製造外注先と共同で試行錯誤の末に開発した。具体的には、「棒ほうじ茶」は香ばしさが強いことから味にインパクトがある一方、「棒茶」の香りと甘みをダックワーズで再現するには、その粉末を大量に生地に練り込む必要がある。しかしながら、通常の粉砕方法では焼き上がり後にザラザラした舌触りが残ることが判明。そこで、日々の気候で異なる「棒茶」の硬さを勘案し、風味を維持したまま、ごく微細かつ均一に粉砕する手法を編み出した。また、原料となる「棒茶」の仕入先も厳選。選別過程で湿気が含まれない技術を持ち、鮮度よく旨みが強いものを生産する静岡県内茶園の「茎」のみを使用。製品化したダックワーズは、令和6年夏より店頭およびEC販売を開始。本取り組みにより、更なる売上・利益向上を図り当社の経営革新を達成する。
所在地 | 〒421-0206 静岡県焼津市上新田862-1 |
代表者名 | 小澤 代輔 |
設立年月 | 昭和61年12月2日 |
業種 | 茶・コーヒー製造業(103) |
電話 | 054-622-1724 |
FAX | 054-622-7444 |
ホームページ | https://www.yamaichien.com/ |
yamaichien@tokai.or.jp | |
承認年月 | 令和6年11月 |
支援担当 | 大井川商工会 / 戸塚 雄喜 |