地熱とクロモジによる地域資源活用型アロマ製品の開発・販売

経営革新計画の概要

当社は、昭和41年に静岡県東伊豆町で創業し、地元住民や別荘地の来訪者、観光客を対象に地域食材を使った料理を提供してきた。特に、静岡県産の「ふじのくにいきいき豚」を使用した焼き肉や丼物は好評を博し、地元のメディアでも紹介されてきた実績がある。
今回の経営革新計画では、熱川温泉の地熱・温泉蒸気と、地元に自生するクロモジ（黒文字）を活用した「クロモジ精油（アロマオイル）」の製造・販売事業に取り組む。熱川温泉は源泉温度が約100℃と高く、豊富な湯量と地熱資源に恵まれており、温泉蒸気を利用した加熱・蒸し調理文化も根付いている。この地域特性に着目し、エネルギーとして温泉蒸気を活用することで、環境負荷の少ない精油製造を実現する。具体的には、地元で採取したクロモジ枝葉を地熱水蒸気蒸留法により抽出し、アロマオイルへ加工。店舗敷地内に製造設備と香り体験コーナーを設け、来訪客が製品を購入できるだけでなく、将来的にはアロマクラフト体験を通じて“香りの観光”としての価値も提供していく予定である。また、クロモジは日本固有の香木で、リラックス効果に加え、抗菌・消臭作用もあることから、自然派・衛生志向の高まりにより注目されている。こうした機能性に、地域固有の地熱を活かした製法を組み合わせることで、独自性と付加価値の高い製品開発が可能となる。本事業の新規性は、未利用だった温泉蒸気とクロモジという地域資源を掛け合わせ、自然調和型の商品として展開する点にあり、当社は地元食材を使った商品開発・販売経験を有し、すでにクロモジが自生する山林保有者との連携や蒸留機器の導入も済んでいることから、実現可能性も高い。
本取組みにより、更なる売上・利益向上を図り当社の経営革新を達成する。